動物と戦争【兵器・作戦に利用された動物たち】

人類が動物を食料ではなく「道具」として運用した歴史は古く、現在でも愛玩用のペットではなく、道具として利用される動物は数多く存在します。
現代の戦車のように運用された馬や像。通信に利用された鳩、物資運搬に多用された牛など動物と戦争との関連は非常に大きく、時としてその運用次第で戦局が大きく変わりました。
歴史上では、アレクサンドロス3世やハンニバル・バルカが騎兵の運用に長けていたことが知られています。
今回は「戦場と動物」をテーマに戦場で意外な使われ方をした動物たちをご紹介します。
世界の動物兵器集
ソ連の対戦車犬
第二次大戦中にソ連が対戦車用に運用した動物兵器です。
原理は非常にシンプルで犬が敵の戦車の下に潜ると背中のレバーが倒れ爆発するもの。
ただし、なかなか運用が難しかったようです。
- 戦車の音や振動に怯え自陣で自爆
- 自軍の戦車で練習をするので条件反射で自軍の戦車で自爆など
最終的にはその運用の難しさから、戦場から姿を消したそうです。
犬はその優れた嗅覚から「地雷探知犬」としても運用されています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/対戦車犬
アメリカの軍用イルカ
アメリカ軍が実際に運用、かつてソ連が運用しようとした動物兵器です。
基本的な運用方法はダイバーの救助、機雷の探知などに使われていますが、都市伝説として自爆攻撃による潜水艦の破壊、毒矢による敵兵の攻撃などが語られています。
日本との関わりもあり、1989年に日本の和歌山県太地町から2頭のハナゴンドウがアメリカ海軍に売買されたそうです。このイルカたちはハワイのアメリカ海軍基地へ送られたと言われています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/軍用イルカ
イギリスのブルーピーコック
ロケット推進式の陸上爆雷パンジャンドラムや氷山を自力航行が可能な巨大航空母艦として運用する氷山空母などを計画してきた変態兵器のメッカであるイギリスの兵器。
ブルーピーコックとは、ソ連地上軍の侵攻を防ぐための核地雷開発のプロジェクト名です。
この計画に関連している動物はニワトリ。
核地雷とニワトリを繋ぐものは「温度」でした。
地中に埋めた地雷の電子部品が冷えすぎると正常に起爆しない可能性があり、それを防ぐために地雷内のケーシング中に餌と水とニワトリを入れるというもの。
ただし、この作戦は計画されたのみで運用はされなかったようです。放射能汚染による環境的リスク、核兵器使用による政治的リスクによって正当化されませんでした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ブルーピーコック
日本のジンギスカン作戦
太平洋戦争中にインド北東部の都市インパールを攻略するインパール作戦の中で実際に行われた「ジンギスカン作戦」というものがあります。
この作戦は牟田口廉也が考案した作戦で、現地で牛を調達し荷物を運ばせた後に食糧としても利用するという作戦です。しかしこの作戦は大失敗に終わります。
- 運用した牛は「水牛」であり長期移動や山岳移動に不向き
- 水牛と共に移動する姿は空からの攻撃の絶好に的だった
- 戦況の悪化、補給の途絶と共に大失敗に終わった
そもそもインパール作戦は様々な戦略・戦術上の無茶があり、無茶を無茶苦茶な作戦「ジンギスカン作戦」でどうにかするという前提から破綻したものでした。
そのため、牟田口廉也の無能さと共に史上最低の作戦として知られています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/インパール作戦
アメリカCIAのアコースティック・キティー
東西冷戦中、猫を使ってスパイをさせようという漫画のような作戦です。
約1,000万ドルをかけたプロジェクトでありCIAによって行われました。
- 猫には小型マイクと電池、尻尾部分にはアンテナを装備
- ネコが注意散漫になることを防ぐための手術
- スパイとしての訓練など
スパイとしての活動のために様々なことが行われたようです。
最初にミッションはベンチに座っている二人の人物の会話を盗聴してくるというもの。
しかし、このスパイ大作戦は放たれた直後に通りがかったタクシーに轢かれ死亡するという非常に残念な終わり方をします。
結局、スパイ活動を行うために工作員がターゲット近くまで接近する必要があることなど実用性にかけると判断されて計画は終了したそうです。
誰も初期の段階で気が付かなかったのでしょうか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/アコースティック・キティー
まとめ
動物と戦争【兵器・作戦に利用された動物たち】いかがだったでしょうか?
動物好きの方にはちょっと刺激的な内容だったかもしれません。
動物と言えば、動画共有サイトYouTubeで最初に投稿された動画をご存知でしょうか?
それは動物園の象の様子を撮した動画です。
一見では何の変哲もない動画ですが、この動画をアップロードしたのはYouTube設立者の一人であるジョード・カリム氏。
この動画から現在のYouTubeが始まったと思うとなかなか感慨深いものです。
では、本日はこの辺で!!