【アール・ヌーヴォー】アルフォンス・ミュシャの魅力
今回の記事は過去に絵動-kaiDo-に出張記事として書いた記事の再編集記事になります。
本日のテーマはアール・ヌーヴォーの巨匠「アルフォンス・ミュシャ」の魅力についてです。
それではしばし時間を忘れて素晴らしいアートの世界をお楽しみください。
アール・ヌーヴォーの巨匠:アルフォンス・ミュシャ
そもそもアール・ヌーヴォーとは?
19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に展開した芸術運動のことです。アール・ヌーヴォーとは「新しい芸術」を意味する言葉で、従来の形式に捕らわれない新しい芸術のかたちを模索した運動です。
- 旧来の形式に捕らわれない新しい表現・技法をふんだんに用いる
- 当時の新素材であったガラスや鉄などの積極的な利用
- 絵画だけでなく、工芸品・グラフィックデザイン・建築まで多岐に渡る表現が行われた
ただし、第一次世界大戦後は芸術界の流れはモダンデザインになり、アール・デコへと移行していきます。
装飾を否定し、機能美など無駄をなくす美しさに移行していくとアール・ヌーヴォーは退廃的デザインとされてしまいます。
しかし、1960年にアール・ヌーヴォーの再評価が起こり、現代では美術史に残る大きな芸術運動という評価を受けています。
1939年3月年にナチスドイツによって祖国は解体され、ナチスドイツに「国民の愛国心を刺激する」という理由で逮捕されています。また、戦後も共産党政権による「愛国心」との結びつきを警戒され、黙殺され続けました。
そんな状況の中でも国民の民衆レベルでミュシャは愛され、後の再評価に繋がったという見方もされています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アール・ヌーヴォー
アルフォンス・ミュシャとは?
アルフォンス・ミュシャ
1860年7月24日~1939年7月14日
様々な概念を「女性」として描くスタイルと、曲線を多用した美しいデザインが特徴的なアール・ヌーヴォーを代表するグラフィックデザイナーのひとりです。
- 季節・星座などの概念を「女性」を使って表現するスタイル
- 連作が多く代表作の「四季」をはじめ2点から4点のセット作品が多い
- 演劇ポスターや製品ポスターなど数多くの商業作品を作成している
現代ではチェコを代表する画家として、国内外でも非常に人気のある作家です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルフォンス・ミュシャ
ミュシャと日本
ミュシャの作品は日本で非常に人気が高いと言われています。それはミュシャの作品が一般的な西洋美術に比べるとわかりやすく「見やすい」点にあると考えられます。
ミュシャは1880年代から1890年代にかけて西洋美術界に大きな影響を与えた「ジャポニズム」に影響を受けた世代です。
そもそもアール・ヌーヴォーの形成にジャポニズムは大きく影響されているとされ、有機的なデザインの多様やすっきりとしたデフォルメ化されたデザインなどが取り入れられています。
特にミュシャの作品には浮世絵的な技法が取り入れられていると言われ、日本人が親しみやすくなっている要因になっていると言われています。
与謝野鉄幹・晶子が刊行した雑誌「明星」の表紙を担当した藤島武二はアール・ヌーヴォーに強い影響を受けた画家で、特にミュシャを盛んに模倣したといわれています。
そういう意味では逆輸入的にジャポニズムを取り入れたともいえます。
国内でミュシャを見たい方
アルフォンス・ミュシャ専門画廊「ぎゃらりい自在堂」
〒170-0062
東京都港区南青山5-13-1 3F
堺 アルフォンス・ミュシャ館
〒590-0014
堺市堺区田出井町1-2-200 ベルマージュ堺弐番館2F~4F
まとめ
アルフォンス・ミュシャの魅力いかがだったでしょうか?
詳しくは上記の参考サイトや実際に作品をみて頂ければと思います。親しみやすく現代に生きる我々でも非常に見やすい作品です。見ていて飽きない魅力があります。
個人的にファンタジーデザインというと真っ先に浮かぶのがミュシャです。ミュシャは商業的な成功をした後に祖国に帰り、20点の絵画から成る連作「スラヴ叙事詩」の制作に着工します。
スラヴ民族の歴史を描いた大作になっており、ミュシャが生涯を掛けて制作を行った作品です。また挿絵などもミュシャは複数制作しており、作品群の中から個人的に感じるのは「ファンタジー的魅力」です。
今回はアール・ヌーヴォーの巨匠「アルフォンス・ミュシャ」を紹介させて頂きました。これを機会にミュシャをはじめとした美術作品に興味を持って頂ければと思います。
それでは次回の記事でお会いしましょう!