【沈魚落雁閉月羞花】美しき中国四大美女たち

「沈魚落雁閉月羞花」という言葉をご存知でしょうか?
中国の言葉で「ちんぎょらくがんへいげつしゅうか」と読みます。
意味は「あまりの美しさに魚は泳ぐのを忘れ沈み、雁は飛ぶのを忘れ落ち、月は恥じて姿を隠し、花は恥じらいしぼんでしまう」というものです。
絶世の美人を表す言葉として使われ、沈魚・落雁・閉月・羞花のそれぞれに4人の伝説的な美女が対応しており、中国四大美女と言われています。
本日は「中国四大美女」をご紹介!
各美女のエピソードと共にご紹介をしていきたいと思います。
美しき中国四大美女たち
中国四大美女とは?
中国四大美女とは文字通り「中国史に存在した特に美しい4人の女性」のことです。
その美しさは現在でも語られ、美人の代名詞として使われています。
面白いのが、この4人にはそれぞれ「欠点」があったとされています。
それでは「西施」「王昭君」「貂蝉」「楊貴妃」の4人の美女を説明していきます!
沈魚美人:西施
西施(せいし)
生没年不詳(紀元前5世紀、春秋時代末期の生まれとされる)
春秋時代末期の人物とされ、貧しい生まれだったそうですが、洗濯をしている最中の姿を見出されとされています。
洗濯している西施のあまりの美しさに魚が見とれてしまい泳ぐのを忘れてしまうほどの美人だったと言われています。そのため「沈魚美人」と呼ばれています。
伝説では当時の大国だった呉を滅ぼすために范蠡によって差し向けられたと言われ、呉の夫差は狙い通り、西施の美しさの虜になり最終的に呉は滅ぶことになります。
いわゆる「傾国の美女」で、呉が滅んだ後はその美し過ぎる容姿から「妖怪」と言われ殺害されたとも范蠡と共に斉へ逃げ延びたとも言われています。
完璧な美貌ながら「大足」が唯一の欠点だったと言われています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/西施
落雁美人:王昭君
王 昭君(おう しょうくん)
生没年不詳(紀元前1世紀、前漢の元帝の時代の人物とされる)
匈奴の呼韓邪単于が、漢の女性を妻にしたいと元帝に相談し、選ばれた女性と言われています。異国に嫁いだ悲劇的な美女というキャラクター性は非常に人気が高く、様々な物語が創作されました。
祖国を思い琵琶をかき鳴らすと、王昭君のあまりの美しさに雁が飛ぶことを忘れ落ちてきたと言われています。そのため「落雁美人」と呼ばれています。
元帝は似顔絵帳から「一番ブサイクな女性」選び、送ることにしたそうですが王昭君だけが似顔絵師に賄賂を払っておらずブサイクで描かれてしまい嫁ぐことが決まったとされています。
ただし、このエピソードは完全な創作だと言われています。
完璧な美貌ながら「撫で肩」が唯一の欠点だったと言われています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/王昭君
閉月美人:貂蝉
貂蝉(ちょうせん)
小説「三国志演義」に登場する人物
日本人にも人気のある小説「三国志演義」に登場する女性で、モデルになった人物は居るが貂蝉自体は創作上の人物だと言われています。
董卓と呂布の仲をその美貌を利用して撹乱し、見事に董卓の殺害に成功しています。この作戦は「美女連環の計」と呼ばれ、三国志の中でも時代が動く見せ場のひとつになっています。
貂蝉のあまりの美しさから、月が恥じて姿を隠してしまったと言われています。そのことから「閉月美人」と呼ばれています。
貂蝉は各作品によって悪女・女傑・忠女など様々な色付けがされています。
完璧な美貌ながら「耳が小さい」が唯一の欠点だったと言われています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/貂蝉
羞花美人:楊貴妃
楊 貴妃(よう きひ)
719年~756年7月15日
中国唐代の皇妃で、貴妃は皇妃としての順位を表す称号で名前は玉環です。世界三大美女に数えられる人物で安史の乱の原因となった「傾国の美女」として非常に有名です。
当時の基準では豊満であったと言われており、グラマラスな女性だったと思われます。音楽や舞踊に多大な才能があり、楊貴妃が制作したと言われる詩が残っています。
その美しさと楊貴妃から出る芳醇な香りから花は恥じらいしぼんでしまうと言われています。そのことから「羞花美人」と呼ばれています。
その成功と没落の人生は数多くの芸術家たちに題材にされ、中国国内だけでなく日本でも多くの作品が誕生しています。
匂いにまつわるエピーソードが多く、良い匂いがしたという反面で「腋臭(ワキガ)」が唯一の欠点だったとも言われています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/楊貴妃
まとめ
美しき中国四大美女たちいかがだったでしょうか?
完璧な美女ではなく「欠点がある」という点がなかなか面白いと思います。
隣国ということもあり、日本の文学・芸術への影響が大きいのもポイントです。
松尾芭蕉の奥の細道で「象潟や雨に西施がねぶの花(きさがたや あめにせいしが ねぶのはな)」と西施の名前を出して詠んでいます。
その他、今回ご紹介した人物たちが与えた影響を様々な作品で見ることが出来ます。
様々な作品の中で、美女を探してみてはいかがでしょうか?
それでは、本日はこれで失礼いたします!