意外と古い国家の「擬人化」【ヨーロッパ中心】
画像引用元:Wikipediaより
今回の記事は過去に絵動-kaiDo-に出張記事として書いた記事の再編集記事になります。
本日は意外と歴史のある擬人化に関してご紹介をさせて頂きます。
擬人化という言葉をご存知でしょうか?
本来人ではないものを「人(もしくは天使、あくまなど)で描く」表現のことです。
国家の擬人化といえば真っ先に「ヘタリア」を思い出す方も多いと思います。
しかし古くはローマなどの時代から自分たちの国家を人として描く試みはおこなわれてそうです。ヨーロッパを中心に擬人化された国家を見て行きたいと思います。
意外と古い国家の「擬人化」集
フランスの擬人化:マリアンヌ
フランスが擬人化された「マリアンヌ」です。上記の画像はフランス革命を題材にしたウジェーヌ・ドラクロワの代表作「民衆を導く自由の女神」です。
この民衆を導いている女神こそがマリアンヌです。
貧困層に属した人たちを象徴したフリジア帽と呼ばれる帽子をかぶっている女性として描かれ、絵画の題材だけでなく彫像や硬貨、切手などに描かれています。
共和制及び自由の象徴として、いまだに国民に広く親しまれているそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/マリアンヌ
ドイツの擬人化:ゲルマニア
ドイツが擬人化された「ゲルマニア」です。1848年にローロッパ各地で起こった革命時に好んで描かれたモチーフだったそうです。
革命後もドイツを象徴する女神として描かれ、独立や統一の象徴として使われています。
- 甲冑をまとった赤みを帯びたブロンドの長い髪の女神
- カール大帝が所有した「ジュワユーズ」という剣を持つ
- ドイツ国旗を一緒に描かれることが多い
上記の特徴を持った女神として描かれ、様々な画家によって描かれたそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ゲルマニア
アメリカの擬人化:アンクル・サム
アメリカが擬人化された「アンクル・サム」です。アメリカを象徴する存在として風刺画などにも数多く登場しています。
誕生には諸説あるそうですがアメリカ南北戦争あたりから使われているそうです。
- 星条旗柄のシルクハット、紺のジャケット、赤い蝶ネクタイ、紅白縦縞のズボン姿
- 白い髭をはやした初ろうの男性として描かれる
- 赤・白・青の星条旗の色を服装にそのまま取り入れている
上記の特徴を持った男性として描かれ、戦争時の徴兵ポスターなどにも使われたそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アンクル・サム
ウクライナの擬人化:コサック・ママーイ
ウクライナの擬人化された「コサック・ママーイ」です。コサックの理想像とされ、ウクライナのシンボル、ウクライナの守り神として描かれています。
発生と浸透には諸説あるそうですが、18世紀から20世紀にかけて神聖視され様々な絵画が描かれたようです。
- ウクライナの楽器であるバンドゥーラを演奏する男性として描かれる
- オークの林で愛馬の隣にあぐらで座った姿で描かれることが多い
- 槍・酒瓶・酒杯と同時に描かれることが多い
コサック・ママーイはウクライナ人の理想的な姿、人生観を体現した存在であり非常に人気があったそうです。その英雄性は現代でも損なわれておらず、未だに愛されているそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/コサック・ママーイ
スイスの擬人化:ヘルヴェティア
スイスが擬人化された「ヘルヴェティア」です。「スイスの母」とも呼ばれ切手や硬貨に使われています。
- 長い外衣を着用した女神として描かれる
- 槍とスイス国旗が描かれた盾を持つ
- 編んだ髪とスイス連邦の象徴としてのリースを持つ
上記の特徴を持った女神として描かれ、国家の象徴として広く使われています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘルヴェティア
まとめ
意外と古い国家の「擬人化」いかがだったでしょうか?
本日は代表的な5個の擬人化された国家を紹介させて頂きました。
なかなか面白いのは「女神」として描かれるケースが多いということです。
イギリスの「ブリタニア」、ギリシャの「アテーナー」なども女神として描かれています。
国家=守るべき女性として考えているということなのでしょうか。
もしくは、生みの親という点から国家の母として女性として描かている可能性もあります。
この部分の背景も調べていけばなかなか面白いかなと思います。
少し前に神社を擬人化したゲームが議論になっていました。
個人的には物事を知る入り口は何でもいいと思うのですが否定的な意見もわかります。
それでは、次回の記事でお会いしましょう。