【破天荒な浮世絵師】歌川国芳の好きな浮世絵5選

今回の記事は過去に絵動-kaiDo-に出張記事として書いた記事の再編集記事になります。
本日は「歌川国芳の好きな浮世絵5選」をご紹介していきたいと思います。

いま見てもその斬新な構図やデザイン性はまったく古臭さを感じません。
イラストを描かれている方の参考になればと思います。

それでは素晴らしい歌川国芳の浮世絵への世界へ!

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破天荒な浮世絵師:歌川国芳の好きな浮世絵5選

破天荒な浮世絵師:歌川国芳

Self-portrait of the shunga album

歌川 国芳(うたがわ くによし)
1798年1月1日~1861年4月14日

江戸時代後半から幕末にかけて活動を行った浮世絵師で、幕末を代表する浮世絵師のひとりに数えられる人物です。奇想天外な構図は江戸っ子たちを魅了しました。

武者絵の国芳」と言われ、武者絵を描かせたら右に出るものがいないというほど人気を博しました。武者絵以外にも役者絵、美人画、名所絵など様々な作品を世に残しています。

また、西洋画にいち早く注目をした人物としても有名で「西洋画は真の画なり。世は常にこれに倣わんと欲すれども得ず嘆息の至りなり」と残るほど西洋画に傾倒していたようです。

国芳の作品が独特のリアリティを持っていると言われる所以は、西洋画からの強い影響を作品に反映させているためとも言われています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/歌川国芳

作風と時代背景

江戸時代後半から幕末という、いままで絶対的な権威を持っていた江戸幕府が揺らぎ始めた時代に活躍をした、国芳。彼の人気の秘密には幕府の政策との関連が指摘されています。

国芳は天才浮世絵師として知られていますが、遅咲きの人物で世間に認められたのは30歳を過ぎてからでした。

源頼光公館土蜘作妖怪図
一見では普通の浮世絵ですが、作中に当時の江戸幕府を皮肉る様々な仕掛けがあります。
このような反骨精神は江戸っ子たちから圧倒的な支持を受けました。

45歳の時に老中水野忠邦による「天保の改革」が行われ、浮世絵師たちの環境は激変します。天保の改革はいわゆる贅沢禁止令であり、美人画や役者絵などは禁止の対象となります。

このような仕打ちに対して国芳は作品の中に「皮肉をこめる」いわゆる風刺画を作成。この行動によって江戸幕府にマークされ、危険人物扱いをされます。

しかし、幕府に真っ向から立ち向かっていく様は「江戸っ子たちのヒーロー」としての地位を作り、その人気は絶頂を迎えます。

幕末は一般人でも洋書などを手に入れることが出来たようで、今回トップで紹介している「相馬の古内裏」という作品に描かれている巨大なガイコツは「西洋の解剖学の書物を研究した成果」と言われています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/天保の改革

好きな浮世絵①:猫のけいこ

無類の猫好きだったことで知られており、数多くの作品に猫が登場しています。自身の肖像画の中にも猫が登場しています。

好きな浮世絵②:みかけハこハゐが とんだいゝ人だ

人を組み合わせることで「人」を作っている面白い構図。国芳の遊びココロ溢れる作品です。

好きな浮世絵③:其のまま地口 猫飼好五十三疋

日本橋を「二本だし(2本の鰹節=出汁)」など東海道五十三次の宿場町名を猫の仕草の語呂合わせで表現した作品。言葉遊びのセンスと確かなデッサン力が光る作品です。

好きな浮世絵④:通俗水滸伝豪傑百八人之一個・九紋竜史進

国芳の出世作「通俗水滸伝豪傑百八人」シリーズから。水滸伝は刺青をしている人物が数多く登場しますが、国芳が刺青を非常に大胆に描き、江戸に「刺青ブーム」を作った人物だと言われています。

好きな浮世絵⑤:宮本武蔵の鯨退治

大胆にも宮本武蔵と鯨を戦わせ、鯨の巨大さを出すことで武蔵の「強さ」を際立たせた作品。「武者絵の国芳」を象徴するような作品。

おわりに

歌川国芳の好きな浮世絵5選いかがだったでしょうか?

いま見ても古臭さを感じない素晴らしい浮世絵師だと思います。
これは機会に興味を持って頂ければ幸いです。

渋谷区の美術館。太田記念美術館

大田記念美術館では、歌川国芳以外にも様々な浮世絵が展示されています。
本格的に浮世絵に興味をもった方は、遊びに行ってみてください!

それでは、本日はこれで失礼いたします!

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