歴史に蠢く危険な二つ名・異名【女スパイ編】
本日の「異名・二つ名」のテーマは妖艶でミステリアスな女スパイ!
歴史に登場した危険で魅力溢れる女スパイたちの異名をご紹介していきます。
危険な女スパイたちの異名集
女スパイの代名詞:マタ・ハリ
マルガレータ・ヘールトロイダ・ツェレ
1876年8月7日~1917年10月15日
第一次世界大戦中に暗躍したと言われている女スパイで、フランスのパリを中心にダンサーとして、高級娼婦として生活を行っていました。
彼女が有名になった理由は、スパイとしての活躍よりも、様々なフィクション作品の「女スパイのモデル」になったことだと思われます。
マタ・ハリは、最終的にフランスにおいて二重スパイとして暗躍し、フランス人・ドイツ人兵士を大量に死亡させたという容疑で処刑されています。
しかし実際には、低レベルの情報を引き出すスパイだったことは確定していますが、彼女の暗躍によって高度な情報戦が行われていた証拠は見つかっていないそうです。
当時のフランスは戦況的に不利であり、マタ・ハリをスケープゴートにすることで作戦上の失敗の責任追及から逃れようとしたと考えられています。
事実はどうあれ、ジャワ系の血を引いた非常にオリエンタルな容姿と妖艶でミステリアスな魅力を持った女性であったことは間違いありません。
世界一有名な女性スパイのひとりで、特別な異名はないものの「女スパイの代名詞的存在」としてご紹介をさせて頂きました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/マタ・ハリ
男装の麗人:川島芳子
川島芳子(かわしま よしこ)
1907年5月24日~1948年3月25日
本名は愛新覺羅顯玗(あいしんかくら けんう)で、清朝の皇族粛親王の第十四王女というまるで漫画のような設定を持つ女スパイです。
粛親王の顧問だった川島浪速の養女となり日本で教育を受け、日本名として川島芳子と言う名称が付けられたそうです。
日本軍の工作員として第一次上海事変を勃発させたなど数々の活動が伝説的に語られていますが、その人生は謎に包まれている部分が多く、どこまでが真実なのかは不明です。
存命中から村松梢風によって「男装の麗人」という小説が発表され、その特殊な生い立ちや境遇からマスコミの寵児として注目を集めていたそうです。
「東洋のマタ・ハリ」「満洲のジャンヌ・ダルク」とも呼ばれ、奇妙な言葉ですが広く国民に知られたスパイだったそうです。
ただ、彼女が本当に様々な陰謀に関わっていたのかは怪しいな点が多く、マタ・ハリと同様にスケープゴートにされた可能性は高いと考えられます。
最期は中国国民党軍によって銃殺されていますが、数多くの生存説が語られており、日中双方で根強い人気のある人物と言えます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/川島芳子
イラクの無冠女王:ガートルード・ベル
ガートルード・マーガレット・ロージアン・ベル
1868年7月14日~1926年7月12日
イラク建国の立役者的役割を果たした、イギリスの女性情報員・考古学者・登山家という非常に多彩な人物です。
オックスフォード大学レディー・マーガレット・ホールで現代史を学び、弱冠20歳で最優等の成績をおさめ卒業するなど非常に高い教養を持っていたことで知られています。
しかし、その高学歴が社交界では煙たがられ、彼女の関心は旅や登山、考古学へと向いていったと言われています。
第一次世界大戦中にカイロに置かれた諜報機関の情報員として召集を受け、オスマントルコに対するアラブ反乱活動に携わるようになったとされています。
彼女の報告は非常に緻密であり、イギリスの政策批判を行う場合もあったそうです。
この当時のイギリスの政策や彼女の政策理念は、現在まで続くイラクの問題、中東の問題に大きく関わっており、手放しに彼女の活動を称賛することは出来ません。
大国イギリスの没落、揺れる中東など、近代史イギリス史だけでなく世界史的にも非常に重要な歴史的に場面に彼女が居合わせたことは間違いありません。
最期は、大量の睡眠薬を飲んで死亡。自殺か他殺かは不明とされています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ガートルード・ベル
人形の女:ベルバレー・ディッキンソン
第二次世界大戦中、日本軍のスパイとして活動をしたアメリカ人女性。
人形店の主人だったことから「人形の女」という異名で呼ばれていたそうです。
彼女はアメリカ海軍に関する情報を、日本軍に渡してた罪でFBIによって捕らえられ、収監されています。本人は最期まで夫がスパイであり自分は無関係であると主張していました。
この事件の興味深い点は、変哲もない手紙のやり取りが犯行に使われていたことです。
人形修理の内容が、実は機密情報になっており「漁網」「風船」などが隠語として使われたそうです。彼女が「人形の女」として呼ばれた所以はこういった点にもあると思われます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ベルバレー・ディッキンソン
美しすぎるスパイ:アンナ・チャップマン
ロシア対外情報庁に所属するロシアのスパイで、その美貌から日本国では「美しすぎるスパイ」としてマスコミで注目を集めました。
核弾頭開発計画の情報を収集するスパイとしてアメリカに潜入。FBIの捜査によって2010年6月27日に9人のスパイたちと共に逮捕されました。
表向きはマンハッタンの不動産会社、ベンチャー企業TIME Venchuresを経営する敏腕女性社長を演じるなどまさに「女スパイ」といった感じです。
追放後は、ロシア国内で人気者となりテレビ司会者として活躍。2013年5月23日には、ファンド・サービス・バンク取締役就任するなど美貌と頭脳を持った峰不二子のような女性です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/アンナ・チャップマン
まとめ
歴史に蠢く危険な二つ名・異名【女スパイ編】いかがだったでしょうか?
危険で魅力的な女性たちを紹介させて頂きました。
過去に書いた記事ですが、もっと危険な女性たちの異名もどうぞ!
それでは本日は失礼致します。