世界を変えた「歴史的」動物【科学と動物たち】

本日は久々の「動物シリーズ」の記事になります。

人類の歴史に多大な影響を与えた動物を5匹ご紹介。人類史に大きな爪痕を残した動物たちをお楽しみください!

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「歴史的」な動物たち

天然痘から人類を救った牛

The cow pock

天然痘はウイルスを病原体とする感染症の一種で、非常に高い感染力と高い致死性を持つ感染症です。そのため古来より「不治の病」「悪魔の病気」として恐れられてきました。

民族や国家を滅亡に追い込むほど猛威を振るった例もあり、天然痘の恐ろしさを現在に伝える歴史書などは世界中に数多く存在しています。

そんな天然痘ですが1980年5月8日にWHOにより根絶宣言が行われ、人類が初めて撲滅に成功した感染症と言われています。

天然痘を根絶に追い込んだのは「」とイギリス人医師エドワード・ジェンナーの功績です。
エドワード・ジェンナーは天然痘ウイルスよりも弱い牛痘に事前に感染させることで、天然痘に発症しない方法(種痘法)を確立しました。

ただし、この治療法は初期では理解されず「牛になる」という噂と共に語られました。上記の画像はその風刺画になっています。

後に治療法として理解され浸透し「近代免疫学の父」とエドワード・ジェンナーは呼ばれるようになります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/牛痘

電流戦争の犠牲者:象のトプシー

Electrocuting an Elephant

トプシーはトーマス・エジソンの会社の宣伝のために感電死させられた象の名称です。

トプシーは調教師3名を死なせるなど手に余ることから処刑が決まり、当初は薬殺による処刑だったそうです。

その処刑に関してエジソンの電気会社が交流電気による処刑を提案し実行に移されました。
YouTubeの動画は処刑時の映像です。ショッキング映像なので視聴にはご注意ください

なぜ、交流電気による処刑が行われたのか?
これはエジソンとニコラ・テスラの間で行われていた「電流戦争」に原因があります。

エジソンは直流送電を提案し、ニコラ・テスラは交流送電を主張していました。
この対立は深刻化し、エジソンの交流送電に対するネガティブキャンペーンが行われました。

処刑されたトプシーも「交流送電の危険性を示す」ために処刑されたのです。

また以前「処刑された人たちの最期の言葉【世界史編2】」で書いたウィリアム・ケムラーも電流戦争の被害者と言えます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/トプシー (象)

体細胞クローン羊:ドリー

Dollyscotland (crop)

1997年2月22日に発表されたドリーのニュースは世界を震撼させました。

クローン技術によって誕生したドリーは「世界初の哺乳類の体細胞クローン」として世界的に注目を集めました。

ちなみに、ドリーという名称はアメリカの女優でありシンガーソングライターであるドリー・パートンの「巨乳を称えて」付けられたと言われています。

ドリーの成功は、後の大型哺乳類のクローンのきっかけとなりました。

クローンといえば、物語の中の技術でした。しかしドリーの誕生はフィクションが現実になったという大きな意味合いを持っています。

クローン技術は倫理的な問題を抱えながらも発展しており、絶滅した種の復活などの転用が期待されています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ドリー (羊)

死を振りまいたネズミたち:ペスト

Beak Doctor 1720

ペストはペスト菌に感染することによって引き起こされる感染症で、かつてはその甚大な被害や発症すると肌が黒ずんでいく様子から「黒死病」として恐れられていました。

ペストは主にクマネズミに流行する病気で、クマネズミの血を吸ったノミが人の血を吸うことで感染していくと言われています。

人類史に度々登場するペスト被害ですが、14世紀に発生した大流行は酷いもので世界で約8,500万人、当時のヨーロッパ人口の3分の1から3分の2(約2,000万~3,000万人)が死亡したと言われています。

  • ヨーロッパの農奴制に大きな影響を与えた
  • 風評被害からユダヤ教徒の虐殺や迫害が行われた
  • マムルーク朝の衰退の遠縁になったとされている

世界に非常に大きな被害をもたらしたペストはその後も、定期的に流行を繰り返します。現在は抗生物質による治療や予防が行われていますが、発展途上国など医療が未発達の国では未だに被害が発生しています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ペスト

地球軌道を周回した最初の動物:ライカ

Laika Stamp

ライカは、ソ連が開発した人工衛星・宇宙船「スプートニク2号」に登場したメスの犬です。

地球軌道を周回した最初の動物と言われ、後の有人宇宙船の可能性を切り開いた動物と言われています。

当時のソ連の発表では「ライカは打ち上げから10日後に薬入りの餌を与えられて安楽死した」となっていましたが、ソ連解体後にライカにまつわる情報が公開され投薬による安楽死は疑問視されています。

  • キャビンの欠陥による過熱で打ち上げ4日後には死亡していた
  • 打ち上げ数時間後に過熱とストレスで死亡していた

情報は複数ありますが「当時の公式会見は事実と異なる」という点では一致しています。結局は正確な死亡時間はわからないということが「わかった」という結果だったそうです。

スプートニク2号の打ち上げは後の、当時世界最高峰の宇宙技術を持っていると自負していたアメリカに大きなショックを与え、それは「スプートニク・ショック」と呼ばれました。

米ソの宇宙開発競争は激化し、NASAの設立やアポロ計画に繋がっていきます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ライカ (犬)

まとめ

「歴史的」動物【科学と動物たち】いかがだったでしょうか?
直接的にも間接的にも人類に多大な影響を与えた動物たちを紹介させて頂きました!

「どうぶつ奇想天外!」「世界まる見え」「特命リサーチ200X」を見て育った世代なので動物情報が大好物です。今後も継続して動物記事を書いていきますのでよろしくお願いします。

そんな感じで本日はこれにて失礼致します!

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