冥王ハーデスさんの憂鬱【タルタロスへ愛をこめて】

本日のスノーバレンタインデーはいかがお過ごしでしょうか?
天候のせいで恋人と会えなかった方も多いと思います。

恋人と会えなくて自分は不幸だ…恋人がいなくて自分は不幸だ…とお考えの貴方。

世界にはもっと不幸な人がたくさんいます。
そして、不幸からは「」も逃げることはできません。

本日は個人的に物凄く可哀想な神様をご紹介!
ギリシャ神話の最高神ゼウスの兄弟にして冥界の王。

冥王ハーデスの不幸話をご紹介します。

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冥王ハーデスさんの簡単説明

  • 冥界の王様
  • ゼウスやポセイドンと兄弟
  • ケルベロスがペット

http://ja.wikipedia.org/wiki/ハーデス

悲劇①親父に食われる

父親であるクロノスは「産まれた子に権力を奪われる」という予言を信じ、それを防ぐためにハーデスさんを飲み込みました。

生まれた瞬間に親父に食われます。
これがハーデスさんの長い長い悲劇の幕開けと言えるでしょう。

そもそも予言を信じるなら子ども作るなよと思います。
喰うぐらいなら子ども作るなよ。

小一時間くらい説教をしたいですがいかんせん神に常識は通用しません。

悲劇②何かしらんけど三男になった

ゼウスに助けてもらいどうにか親父の胃袋から脱出したハーデスさん。
しかしここで信じられない出来事が起きます

zeus

ゼウス「うはぁwww ハーデスもポセイドンも飲まれてるwwww」
ゼウス「なんつーか、もう俺がwwww長男で良くね?wwww」
ハーデス・ポセイドン「はっ?」

どういうことかと言うと「吐出された行為は第二の誕生」なので兄弟の順番も変わるよね?
というゼウスさんサイドの提案です。

ここで問題なのは、ハーデスさんが完全に不利ということです。

旧 ハーデス>ポセイドン>ゼウス
新 ゼウス>ポセイドン>ハーデス

ゼウス「ポセイドンは反対wwwしないよねwww?」
ポセイドン「…せやな」
ハーデス「!!???」

ゼウスに助けてもらった手前強く出られず、しかもポセイドンは変動なし。
民主主義の皮を被った「圧力」によって兄弟の順は変動します。

まさかの下克上によってまさかの三男に転落
手放しに喜べない解放でした。

悲劇③メタルギアソリッド的な装備

自由を手に入れたハーデスさんたち一行は親父との戦いを決意します。
全宇宙の支配権を巡る戦争である「ティタノマキア」の開始です。

この戦いはクロノスに恨みを持つ新勢力とクロノスを中心とした旧勢力の戦いです。
神 VS 神」という非常に豪華な戦いです。

しかし、共に不死身なので10年近く戦っても決着がつきません。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ティタノマキア

イカれた新メンバーの加入

そこでタルタロス(地獄)に幽閉されている巨人を仲間にします。

ヘカトンケイル…百手の巨人。クソ強い。岩とか投げる
キュクロープス…一つ目の巨人。サイクロプスの名称で有名。鍛冶の達人

最強の武器()のプレゼント

キュクロープスは解放してくれたお礼に3つの武器を献上します。

雷霆…万物全てを破壊する大量破壊兵器
三叉の矛…大海・大地を支配する半端ない武器
隠れ帽…ステルス迷彩

……隠れ帽?

明らかに格が落ちる「隠れ帽」。

もちろん、雷霆はゼウスに、三叉の矛はポセイドンに、隠れ帽はハーデスさんです。
この武器プレゼントは後の支配地域決定のフラグです。

決着ゥゥーーーーーーーッ!

いよいよティタノマキアの決着です。
新しい武器と仲間を手に入れたハーデスさん一行は優位に戦いを進めます。

ゼウス…雷霆で破壊しまくり。地球や全宇宙を焼き払う。ゼウスのせいで宇宙がやばい
ポセイドン…三叉の矛で地球揺らしまくり。ポセイドンのせいで地球がやばい
ヘカトンケイル…岩とか投げまくり。ヘカトンケイルのせいで山がやばい
キュクロープス…今回の戦いの立役者。作った武器で敵がやばい
ハーデスさん…敵から武器を盗む

…?

ハーデスさん…敵から武器を盗む…?

正直、凄い功績です。
でもね、でもさ。

もう少し こう何というか 手心というか…

この戦いはハデスさん勢力の大勝利に終わります。
クロノスはじめ敵勢力は全員タルタロスにぶち込まれました。

晴れて新世界の神々となったハーデスさんたち。
しかしこれはハーデスさんの新しい悲劇のはじまりでした。

悲劇④完全に出来レースで冥界の支配者

戦いが終了し、もっとも功績のある3人は支配地域を決めることになります。
「天空」・「海」・「冥界」この支配を決めようって話です。

この支配権は「くじ引き」によって決定されました。
結果がこれです。

ゼウス…天空
ポセイドン…海
ハーデスさん…冥界

さきほどの武器の情報と照らし合わせてみましょう。

ゼウス…天空 雷霆…万物全てを破壊する大量破壊兵器
→雷霆は明らかに天空のイメージ

ポセイドン…海 三叉の矛…大海・大地を支配する半端ない武器
→大海・大地を支配するとかめっちゃ海アピールしてる

ハーデスさん…冥界 隠れ帽…ステルス迷彩
→余り物

偽装工作の臭いがプンプンだな…

戦う前からゼウスとポセイドンの間で取り決めがあったのではないか?
そんなことを邪推してしまう結果です。

表向き公平をと思われるくじ引きの結果ハーデスさんは冥界の王となります。
冥界とはタルタロス徒歩十日の立地なので最悪です。

しかしまだまだ悲劇は終わりません。

悲劇⑤オリュンポス十二神に誘われない

オリュンポス十二神とは、オリュンポス山の山頂に住む半端ない神々です。
男女6人ずつの計12人のギリシャ神話を代表する神々です。

最高神のゼウス、海の神ポセイドンなどそうそうたる顔ぶれ。
しかしこの中にハーデスさんの名前はありません

この同窓会をこっそりやられた感じ。

入れなかった表向きの理由は「冥界の神だから」です。つまり地上の神々で構成されたオリュンポス十二神に地下(冥界)の神であるハーデスさんは含まれないよね。という考え方。

しかし今までの流れを見ると邪推せずにはいられません

しかも、オリュンポス十二神はゼウスの身内で固められています。
ハーデスさんも身内なんですけどね…

悲劇⑥基本的に嫁と別居

ギリシャ神話の神々は数多くのエピソードをもっています。
ゼウスは特にエピソードが多く、大体は「誰かを孕ませる話」です。

それはさておき、ハーデスさんには固有のエピソードが全然ありません。
ぶっちゃけ人気がなかったので作られなかったと思われます。

これだけでも酷い話ですが、ほぼ唯一のエピソードは嫁さんに絡む話です。
ハーデスさんの嫁はペルセポネーという神様です。

ゼウスとデーメーテールの娘で春・芽吹き・乙女・季節の神です。
何とも明るい感じのハーデスさんとは似合わない感じ。

ハーデスさんとペルセポネーの出会いは

ハーデスさんがペルセポネーを拉致監禁するものです。

アプロディーテーの罠

この「一目惚れ→拉致監禁」というダイナミック求愛には理由があります。

ペルセポネーが恋愛の神々を蔑ろにしたということで、アプロディーテーが部下のエロースに命じて「刺さると恋をする矢」で狙撃されたからというものです。

「冥界送りにしてやんよ!」というノリだったのでしょう。

何というか神々にとって「冥界=行きたくない場所」という認識。
泣きたくなります。

嫁の母親がマジギレする

ペルセポネーの母親であるデーメーテールがマジギレします。
いきなり娘をさらわれたあげくに冥界行きなので当然です。

このことをゼウスに相談すると

「うはっwwwゆうても俺の弟だしwww良くねwww?」

と拉致監禁を肯定してしまいます。
動物に化けて女の子を襲ったり、雨に化けて孕ませる奴の倫理観は格が違いました

これを聞いたデーメーテールは老女の姿になり地上で娘を探す旅に出ます。
デーメーテールは豊穣の神なので、彼女が旅の間大地は荒廃しました。

間接的に大地を荒廃させてしまったハーデスさん。
悲しすぎます。

4ヶ月は俺の嫁

さすがにやばいと思ったゼウスはデーメーテールと条件を結びます。
ペルセポネーが冥府にいる間に食物を食べたら嫁になる」というもの。

ペルセポネーは、冥界にさらわれてからはショックで何も食べていませんでした。しかし、ゼウスの使者が帰れることを伝えるとテンションが上ってザクロを食べてしまいます。

これによって、ペルセポネーはハーデスさんの嫁になります。

しかし、デーメーテールに考慮してゼウスは「1年のうちの4ヶ月は冥界。それ以外は地上」という案を出してこの事件を決着させます。

愛しの嫁とは4ヶ月間だけの暮らし。
ハーデスさんにとっては非常に悲しい結末となりました。

ペルセポネーが冥界にいる4ヶ月間は母親のデーメーテールのテンションが下がり、豊穣の神としての役割をまっとうしません。そのために「」が誕生したと言われています。

まとめ

冥王ハーデスさんの憂鬱いかがだったでしょうか?
まだ不幸話があるので興味が出た方は調べてみてください。

ハーデスさんに固有エピソードが少ないことには理由があります。
地下=死・地獄」を連想させるために人気がなかったからです。

しかし、時代は変わりローマではハーデスさんは人気がありました。
理由は地下には金などの鉱物があるためです。

ローマでのハーデスさんの呼び方は「プルート」。
ローマの言葉で「富める者」という意味です。

技術の発展や価値の変動によって神様の人気も変動します。
これが多神教の面白いところ。

ちなみに、今回の記事ではなるべく「不幸に拍車がかかる説」を採用しています。
各エピソードには諸説あるのでご注意を。

神々や神話は大好物なので今後もまとめていきます。
それでは!

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