歴史に輝く無駄にカッコイイ二つ名・異名【中国編】

今回で通算六回目となる二つ名・異名ネタ。
前回のラストの宣言通りに今回は「中国編」をお送りします。

異名 【イミョウ】
1 本名、本来の名称以外の名。一名。別名。異称。いめい。
2 あだ名。いめい。「大酒飲みで、うわばみの―をとる」
出典:デジタル大辞泉

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中国のカッコイイ二つ名・異名集

国士無双:韓信

Hán_Xìn

韓信(かんしん)
不明~紀元前196年

中国秦末から前漢初期にかけての武将。
前漢の初代皇帝である劉邦に仕えていたことで有名。

張良・蕭何と共に漢の三傑の一人に数えられています。

国士無双は「国じゅうで比べる者がないほどに優れた人」という意味で、蕭何が韓信を推挙する際に「国士無双」と言ったことが異名の由来となっています。

故事成語の「韓信の股くぐり」は韓信のエピソードが由来であり、意味は「将来に大望のある者は、目の前の小さな侮りを忍ぶべき」というものです。

若いころにチンピラに絡まれた韓信は、争いを避けるために言われるがままに相手の股をくぐったというエピソードが元になっているそうです。

ちなみに、楚王になった際に股をくぐらせたチンピラを中尉に任命したという逸話があります。理由は「あの時に我慢できたからいまの自分がある」という感謝の念から。

やはり大物は違いますね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/韓信

西楚の覇王:項籍

Xiang_Yu

項籍(こうせき)
紀元前232年~紀元前202年

一般的には「項羽」の名で知られ、劉邦のライバルとして非常に有名な人物。
劉邦とは対照的な人物として語られることが多いです。

「西楚の覇王」は異名と言いますか自称といいますか、秦を滅ぼした後、楚に戻った際に自らを西楚の覇王と名乗ったそうです。

覇王とは儒学者の孟子によって提唱された「覇道・王道」から生まれた言葉です。
徳を持って世を治めることを王道、知力や武力を持って世を治めることを覇道と呼びました。

覇王とは知力や武力を持って世を治める王を指します。
ちなみに、孟子は覇道は賤しいものだと定義しています。

項羽でもっとも有名なエピソードは「四面楚歌」です。
四面楚歌の「楚」は項羽の故郷です。

四面楚歌は「完全に孤立した孤立無援の状態」のことで、垓下の戦いで城に追い込まれた項羽は城の外から聞こえてくる故郷の歌を聞いて、すでに楚は敵に下ったのか…と嘆いたエピソードが元になっています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/項籍

独眼龍:李克用

李克用(り こくよう)
856年~908年

唐末期の軍閥指導者で後唐の始祖である人物。
数々の武勇で知られ、ライバルは後梁(こうりょう)を建国した朱全忠。

隻眼で勇猛な武将だったために、独眼竜という異名がついたそうです。
彼の軍隊は黒い衣装で統一していたことから鴉軍(あぐん)との異名があり、どの軍隊は勇猛さで知られ恐れられていたそうです。

日本で独眼竜といえば伊達政宗ですが、伊達政宗が独眼竜と言われるのは李克用になぞらえてのことと言われています。

他には「飛虎子」という異名があったそうです。
あだ名に龍や虎などが使われており、勇猛さで知られていた李克用らしい異名です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/李克用

車輪眼:楊大眼

楊大眼(ようたいがん)
不明~518年

中国の北魏の武人であり、孝文帝、宣武帝に仕えた人物。
非常に優れた身体能力と勇猛さで知られた武人であり、「関羽、張飛がよみがえっても、楊大眼には敵わないだろう」と恐れられたそうです。

異名の由来は「瞳の中に車輪状のもう一つの瞳があった」ことからです。
このような瞳は「重瞳(ちょうどう)」と言われ、中国では優れた人物の身体的な特徴として語られるケースが多いようです。

アレクサンドロス3世もいわゆる「オッドアイ」だったようなので、特徴的な瞳というのは人を惹きつける魅力になるのかもしれません。

非常に部下思いの人物だったようで、部下の死に涙を流す、部下の子どもと遊ぶなど兵から慕われていた人物のようです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/楊大眼

宇宙大将軍:侯景

侯景(こうけい)
503年~552年

みんな大好き 宇宙大将軍 !!

侯景の叛乱の首謀者であり、後に漢王とも名乗っています。

中国南北朝末期の武将であり、かなりのDQNとし名を残しています。
家柄も良くなく、個人の武勇が優れているわけでもない侯景が優れていた点は統率者としての器量が非常に高かったことです。

そこら辺は自分でも分かっていたようで戦利品などは公平に部下に分配。
ただし逆らう者には容赦しないなど、飴と鞭で部下をまとめていたようです。
そのため、彼の率いる軍隊は非常に強かったようです。

ちなみに、宇宙大将軍は自称です。
簡文帝 (南朝梁)に無理やり与えさせたものだと思われます。

宇宙大将軍の最期は味方に見捨てられて殺されるという悲しいものでした。

良く言えば表裏がなく、悪く言えば欲望に忠実過ぎる人物です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/侯景

まとめ

無駄にカッコイイ二つ名・異名【中国編】いかがだったでしょうか?

『昏君列伝』の前編では劉宋の劉昱、南斉の蕭宝巻、北魏の元顥の三名を紹介させて頂いた。 今回はその続編になるが、本編に入る前に気になったことに触れたい。南北朝時…

宇宙大将軍に関してかなり詳細にまとめてあります!
笑かして頂きました。

今回の記事では意図的に大人気「三国志」の人物は外しました。
三国志編として別途記事を書きたいと思います!

ご期待ください。

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